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取り扱いの注意

推奨製品保管温湿度

1. メカトランスの保管については下記の環境にて保管して下さい。
温度:-5℃~+40℃、周囲湿度:40%RH以下

2. メカトランスを高湿度環境(相対湿度70%以上)で定電圧を常時印加して使用する場合、圧電素子の内部電極にマイグレーションが発生し、絶縁抵抗が劣化する可能性があります。

3. 使用温度範囲は-20℃ ~ +85℃となっております。圧電素子自身の温度上昇も踏まえてご利用下さい。

メカトランスの取付けについて

4. メカトランス内の圧電素子に引っ張る力が働かないよう、次の点にご留意ください。

[1]メカトランスとその他の機構を接続する場合、メカトランスの変位部先端に変位発生方向と同じ向きに力が加わる取付けをしないで下さい。
[2]メカトランスの変位部先端を手で押さえる・引っ張る・捻るなど、過剰な力を与えないで下さい。

例1: MTA型メカトランス/例2:MTDD型メカトランス

例3:MTPTK型メカトランス

 MTPTK型メカトランスの取り付けに当たっては、ねじ締結力に伴うメカトランスの捻れを避けるため、下の写真に示す様に、適宜アクチュエータ上部を固定する様ご配慮ください。

MTPTK型メカトランスの取り付け

※メカトランス内蔵の圧電素子はセラミック材料で構成されています。セラミック材料は特性上、引っ張る方向の力には弱く、強い力で引っ張ると破壊する可能性があります。
メカトランスは圧電素子の発生する変位・力を、拡大機構を用いて大きな変位・力に変換しています。逆に変位部先端に加える力は圧電素子には大きな力として伝達され、その力が圧電素子を引っ張ると素子は破壊されてしまいます。圧電素子を引っ張る力の向きはメカトランスの変位発生方向と反対向きになります。この向きでの力の印加は絶対にしないで下さい。

5. 下記のようなメカトランスの取付けには使用するネジの長さに注意をしてください。ネジが長すぎる場合、ネジ先端部と圧電素子が接触し圧電素子に傷をつけてしまう可能性があります。その傷に起因して圧電素子が破壊する可能性があります。

・MTDDシリーズ ・MTDシリーズ ・MTKKシリーズ ・MTKシリーズ

6.下記のようなメカトランスの取付け部を何かの取付け台に付ける場合、その取付け部が回転しないように、何かジグまたは工具により固定した上でネジを締め付けください。同様にメカトランスの出力部に負荷または動かしたい部品を取付ける際、その出力部が回転しないように、何かジグまたは工具により固定した上でネジを締め付けください。その様にしない場合にはネジを締め付ける回転モーメントがメカトランスを壊してしまう可能性があります。

・MTDDシリーズ ・MTDシリーズ ・MTKKシリーズ ・MTKシリーズ

電圧の印加について

7. メカトランスは、下記に記載の定格電圧内にてご使用ください。定格電圧外の電圧をメカトランスに印加した場合、メカトランス内の圧電素子が破損する可能性があり、保証対象外とさせて頂きます。
定格電圧:-20V~150V

8. メカトランスの駆動時には圧電素子の電極間に高電圧が印加されます。圧電素子の電極部に電線、水、導電性のある物質などが接触し、電極間を電気的に短絡させないでください。

例1: MTA型メカトランス/例2:MTDD型メカトランス

9. メカトランスに瞬間的に大きな電圧を印加する場合(例:DC電圧をスイッチ等用いて直接メカトランスに印加する)、次の点に注意をしてください。

[1]電圧の供給側とメカトランスとの間に抵抗を接続する。
[2]圧電素子の機械的な破損防止のため、特に矩形波で駆動される場合、突入電流を制限する。
[3]直流電圧を例えばスイッチ等を用いて直接メカトランスに加えた場合、直列に抵抗が全く無い状態ではメカトランスの変位ピーク値は加えた直流電圧で静的に発生する変位の2倍に達します。従って、メカトランスに直接直流電源を接続することは大変危険です。場合によっては一発の電圧印加でメカトランスが破壊されることもあります。適宜直列の抵抗を接続し、また加える電圧は80Vを超えない様にして下さい。電圧を徐々に上昇する場合には全く問題はありません。

10. メカトランスのリード線の極性を反転してのご使用は避けてください。メカトランスのリード線の極性は赤色が+極、白色(黒色)が-極です。

※機種によっては色で区別できないリード線として利用されている場合、リード線が長い方が+極になります。
例:MTDD03S50F3,MTD03S50F3等)

図 メカトランス リード線の極性

※リード線の極性を反転させて電圧を印加した場合、約-20Vまでは発生変位はマイナス側ですが、それ以上の電圧では変位はプラス側に戻ります。これは圧電素子内部に分極反転が起こるためで、常時分極反転をする条件で電圧を印加すると壊れる可能性があります。特別な場合を除き、電圧極性は単一として下さい。

メカトランスの特性について

11. 弊社メカトランスには印加電圧と発生変位の関係においてヒステリシスが存在します(下記図参照)。同じ印加電圧でも電圧上昇時のメカトランスの発生変位と電圧降下時の発生変位には若干の違いが生じます。これはメカトランス内の圧電素子の特性が反映されたもので、使用上不可避の性質です。メカトランスの使用上、発生変位の絶対値を制御する必要がある場合には変位センサの併用が必要です。

図 圧電素子ヒステリシスカーブ

12. メカトランスは周囲温度の変化に対して、メカトランスの変位部先端の初期位置が変化します。例えば下記の機種の場合では周囲温度が上昇した場合の、初期位置の変化の方向は、下図の通りです。対策も可能ですので、この現象が実用上問題になる様であればご相談下さい。

その他

13. メカトランスを分解しないでください。分解された後のメカトランスの修理については対応することが出来ません。

14. メカトランスを使用にならない時は、湿度40%以下の保存環境(例:デシケータ等)に保管をしてください。湿気を含んだ圧電素子に電圧を印加するとマイグレーションが発生し素子の破損につながる可能性があります。また、保管時はメカトランス内の圧電素子の電極間を短絡してください。使用していない間に圧電素子の電荷をためないためです。

15. 正規な保管方法及び正規な使用方法の前提で、メカトランスの保障はご購入日より 1年間または1000万回とさせて頂きます。それ以上動作回数を保証する必要がある場合、ご相談下さい。実績として機種によって、150億回をクリアした機種もあります。

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